
「夏を制する者は受験を制す」と言われます。受験生の皆さんはこの夏をどう過ごされましたか?いまだに猛暑・酷暑が続いていますが、涼しい環境である図書館や塾の自習室を利用された方もおられたのではないでしょうか。
二学期が始まると学校の授業や行事などがあり、あっという間に時間が過ぎてしまいます。思いの外、すぐに受験を迎えることになるかと思います。この間、受験勉強も本格化し、追い込みが必要となります。それだけに受験勉強を有利に進めるための自習室の効果的な活用法(ヒント)について考えてみたいと思います。
安心して学習に取り組むことのできる環境か?
図書館に併設されている自習室を利用する受験生も多いのではないでしょうか。特に今年のように例年になく暑い夏ともなると、日中から涼しい環境を提供してくれる図書館は魅力的です。しかし利用した受験生から、「図書館に勉強しに行ったが、友だちに出くわしてしまい思ったように勉強できなかった」「周りの雑音が気になって集中できなかった」などの意見を少なからず耳にします。
大学生や社会人が課題やレポート作成に取り組むとき、調べものをしながら作業を進めることがよくあります。このようなとき、調べものもすることのできる図書館は利用価値の高い場所となります。図書館は公共の場であり、交流や憩いの場でもあり、このような大学生や社会人以外にも様々な人が利用します。夏休みなどの長い休みでは学校の課題に取り組む小中学生も少なくありません。受験勉強を目的とする受験生とは自習室の利用目的が異なるため、自然と利用方法も異なってきます。
このように考えてみると、図書館よりも予備校や塾に併設されている自習室を利用する方が受験生にとってベターなのかも知れません。受験勉強を目的とした場合、結局は自習室が学習環境として「安全・安心の場」になり得るのか、ということを考える必要があるのではないでしょうか。

(ある日の自習室の様子)
学習習慣に自習室を取り入れられるか?
次に考えておくとよいことは、学習習慣に自習室の活用を取り入れられるかどうか、ということです。夏休みのような長い休み期間に自習室を利用する学生は多いですが、学習習慣の一環として普段から自習室を利用する受験生はあまり多くありません。せっかく夏休み期間に自習室で学習習慣が身に着いても、追い込みの時期となる秋からの受験勉強に自習室を活用せず自分の部屋で行うことで、誘惑(ゲームやSNSなど)に勝てずにペースを乱してしまう受験生が結構います。これは盲点となっているのではないでしょうか。
当塾では、受験生の要望により自習室を併設しました。それからは活用する受験生をみてきました。受験を成功させた学生は、ほとんどと言っていいほど自習室を学習習慣に取り入れていました。日によって活用する時間(1~6時間)は異なりますが、ほとんど毎日のように活用していました。それも傍から見ていても驚くような集中力で。このような姿を観ながら、改めて学習習慣に自習室を取り入れることの重要性を痛感した次第です。
質問できたり、アドバイスがもらえるか?
自習室の活用する上で大切なこととして挙がるのが、質問ができたり、アドバイスをもらうことができるのか、ということです。受験勉強をする上で最もマイナス要因となるのが、問題集や参考書の解答・解説を読んでも理解できない・分からない、ということです。これはとても大きなフラストレーションであり、受験勉強の効率を著しく下げてしまいます。このようなとき、「質問できる講師がいるといいのになぁ」、と思ったことのある受験生も少なくないようです。また受験勉強で行き詰まったときにアドバイスが欲くなることもあるでしょう。巷では色々なところ「受験」というワードをで見たり、耳にしたりします。しかし当事者である受験生にとっては受験は人生の上で何度もあることではありません。それだけに悩みや心配事は尽きません。当塾では勉強に関する質問だけでなく、悩みなどの相談にも時間の許す限り応じるようにしています。
切磋琢磨できる仲間が居るか?
受験勉強を進める上で仲間の存在は大きいものです。しかし注意していただきたいのが、刺激し合える・切磋琢磨できる仲間かどうか、ということです。仲がよいに越したことはありませんが、それ以上にライバル視できる存在であるか、の方が重要だと思います。お互いに高め合うことのできる相手と一緒に学習できる環境があれば申し分ありません。もしお互いに高め合うことができない相手だとしても、刺激を受けることのできる環境、例えば高校受験に向けて頑張っている中3生が、大学受験を目指す高3生の勉強している姿に刺激を受けるような環境、であれば十分です。受験生が勉強する塾の自習室の活用は一考の価値ありではないでしょうか。
ネットが使えるか?
スマホなどのデジタル機器と勉強については色々と議論されています。確かに学習を妨げるように依存してしまうことには問題がありますが、便利なツールであることも事実です。現に私も分からないことがあれば、Googleなどの検索エンジンにアクセスして調べます。最近ではYouTubeなどの動画配信サービスに受験に有用であり、かつ良質なコンテンツがアップされるようにもなりました。つまり、このようなデジタル機器や情報とうまく付き合っていくことは、受験を有利に進める上で重要な要素となってきています。そのため、自習室でネットが利用できるのか、は重要なポイントなってきています。
BGMとして音楽など聴きながら勉強をする学生が多く見受けられます。好きな曲を聴くことでモチベーションを上げられるようです。また何も音のない環境より少し音がある方が集中できる人もいます。BGMの効果も学習の上では重要な要素となります。
当然のことながら、デジタル機器の利用は一定のマナーと節度が大切です。自室でなく公の場となればなるほど大切です。デジタル機器などを利用する際は、常に周囲への配慮を心がけてください。
おわりに
二学期も始まり、本格的に受験に取り組む必要のある時期となりました。受験勉強での自習室活用法について、ヒントになるようなことを列挙させていただきました。一念発起して受験勉強に取り組もうと考えている方が居られましたら、上記のヒントを参考にしながら自習室の活用を受験勉強に取り入れることを考慮いただけると嬉しく思います。