
大学受験、特に難関大学を志望するとなると、とても長い時間机にかじりついている印象があるのではないでしょうか。当然受験勉強は時間をかければいいという訳ではありません。質も問われます。しかし多くの学生にとって、勉強時間はとても分かりやすい指標となります。今回は、受験に必要勉強時間に注目しながら、受験対策について記載してみたいと思います。
3000時間以上
志望校によって異なりはしますが、平均で3000時間以上、旧帝大以上の超難関大学となると4000時間以上とも言われています。単純に1年=365日で計算してみると、3000時間で1日8.2時間、4000時間の方は11時間となります。仮に現役合格を狙うとして高校3年の1年間だけでこの勉強時間をクリアしようとすると、かなり厳しい数字と思われるのではないでしょうか。また、夏くらいまで部活動との両立を考えたいという学生もいますが、このような学生はかなりの無理をしないといけなくなってしまいます。
高1・2年から対策
「数字のお遊び」といわれるかも知れませんが…
1日2時間の勉強を1年続けると、730時間となります。3時間で1095時間となります。この単純計算に従って、もし高校1年生の間は日々2時間、高校2年生で日々3時間の勉強時間を確保すると、高校2年生終了段階で1825時間に到達します。これは、高校3年生では3000-1825=1175時間の勉強時間でいい、ということを示しているのではありません。数字から見えてくる対策としては、つまり受験勉強の取り組みを開始する時期を早めることが重要だということです。
特に、国公立大学を視野に入れている高校生には、共通テストが大きな関門となります。ご存じの通り、センター試験から共通テストに移行したことで難易度が上がりましたし、2025年からは「情報」が追加されたことで受験生の負担が増えました。このような状況を考えると、受験対策は高校3年からという考えは時代遅れと言えるのではないでしょうか。
学習習慣の重要性
日々勉強するためには、「学習習慣」がとても重要です。いかに「学習習慣」を身に着けるか、これがカギです。現在のような先行き不透明な時代だからこそ学習が大切だといわれていて、特に受験で身に着けた「学習習慣」は一生ものとなります。
ここで、「勉強」ではなく「学習」というワードを使っていることに気づかれた方がおられるのではないでしょうか。実は意図的にしています。
「勉強」とは「勉め強いる」ものです。受動的なもので、強制的にさせられるようなイメージがあります。一方、「学習」は「真似ぶ」を語源としているといわれ、手本をまねることが基本です。ただこれだけでは面白味はありません。しかし注目していただきたいことは、何ごとも手本をまねることから始まりますが、その後の能動的な姿勢で進化・発展していきます。例えば、英単語を考えると、教科書に書かれているものを覚えるだけの受動的姿勢では面白くありませんし、第一記憶への定着が不十分です。しかし、英単語を調べる際に例文も一緒にチェックし、その単語を使って自ら英作文してみるとどうでしょうか。さらに関連する品詞や類語を調べるようにすることで記憶への定着が確かなものになりますし、ボキャブラリー(語彙)を格段に増やすことができます。このような姿勢は「勉強」でなくまさしく「学習」です。楽しみながら、かつ学びを広く・深くすることができます。このような「学習」は高校3年ではなく、1・2年の早い時期からの取り組みに向いているともいえます。
「燃え尽き症候群」の防止にも
受験勉強に注ぎ込む力は並大抵のものではありません。食事・睡眠以外は勉強、という人もいるくらいです。並みならぬ努力をするからこそ、「合格」はひときわ嬉しいものです。しかし入学直後からやる気を失ってしまい楽しい大学生生活を送れない、いわゆる「燃え尽き症候群」になる学生が少なからずいます。色々と原因はあるでしょうが、過度の「勉強」によるマイナス作用と考えられます。このようなことを防ぐためにも、「学習」の姿勢で取り組むことが大切かも知れません。
まずは生活習慣の見直しから
学習習慣を身に着けるために高校1・2年生の皆さんに始めていただきたいことがあります。それは生活習慣の見直しです。それによっていかに学習時間を捻出するか、どうやって普段の生活に取り入れるか、などなど、考えることは色々とあります。
ちなみに当塾では、併設の自習室を学校帰りに活用して学習することを推奨しています。学校で学んだ内容を整理(オリジナルのノート作り)したり、ネットが使える環境にしていますので調べものをしたり、受験に直結する学びを行ってもらっています。また活用してもらっている塾生には、できる限り時間を割いて、分からないことや質問などに応えるようにしています。
皆さんにとって実りある受験にするために、早めから学習習慣を身に着けてください。