
これまで効果的な英語勉強法として、「英和辞典(紙)の利用」「音読」「文構造の把握」について紹介してきました。今回は最終章として、「英文の書き写し」についてご紹介いたします。
目次
学校などでの英語学習
英語にはリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングといわれる4つの技能があります。このうち、リーディングとリスニングはいわゆるインプット型の技能、一方ライディングとスピーキングはアウトプット型の技能です。ここで学校の授業を考えてみると、部分的にライティングやスピーキングも取り入れられていると思いますが、リーディングを主体として、プラスアルファでリスニングを学ぶといった感じではないでしょうか。つまり学校での英語学習はインプット型の技能を伸ばすことを主体としたものといえます。
日本の多くの企業では社員の英語力を評価するためにTOEICを導入しています。私の前職でも年に1~2回ほどTOEICの受験を義務付けられていました。TOEICは一般的にリーディングとリスニングのインプット型の技能を評価するものです。そのため、TOEICのスコアが高くてもライティングやスピーキングを苦手とする人は結構います。このようなこともあり、最近ではライティングとスピーキングに特化して評価するW&Sテストが登場したくらいです。
私たち日本人にとって英語が第二言語である以上、インプット主体の学習となることは致し方のないことではないかと思います。しかしアウトプット型の技能に関する学習を全く無視していいというわけではありません。受験を考えると、スピーキング技能に関する問題を出題することには一定のハードルがありますが、英作文は出題されています。特に求められる語数が年々増えているような状況です。
アウトプット型技能の有効性
ここで私の経験から、アウトプット型技能の効果について少し記述させていただきます。
自身の駐在経験を振り返ると、確かに一定のリーディングやリスニング力は求められましたが、それ以上に、日々の議論や会議におけるスピーキング、Eメールを中心としたライティングの力が段違いで求められました。このときの経験で強く実感したことが、アウトプット型の技能を通して英語力が格段に向上したということです。これは帰国後にも配属されたチームでも実証されました。具体的には、Eメールでのやり取りをすべて英語にしたり、会議の一部を英語で実施したりすることで、周囲の若手メンバーの英語力が飛躍的に伸びました。つまり英語力を向上させるためにはアウトプット型技能が有効であることを示していると思われます。
それでは英語力を伸ばすためには、どのようにしてアウトプット型技能を取り入れたらいいのでしょうか。
音読
ひとつは、「音読」を取り入れることです。これちらについては以前、「英語勉強法(その2)音読」でその効果などを紹介いたしました。よろしければ、以下のURLを参照してください。
英語勉強法(その2)「音読」_豊明×塾×中学生×高校生 – Learning Base AWAKE
英文の書き写し
もうひとつは、今回のテーマである「英文の書き写し」です。
英語力の向上に、英語で文章を書くこと、つまりライティングが有効であることはよく耳にします。特にその代表格として推奨されているのが英語で日記をつけることです。しかし日記をつける習慣のない人にとって、これはとても大変で苦痛な作業です。私も試したことがありますが、まったく長続きしませんでした。
そこで今回、皆さんにお勧めしたいのが、実際に取り組むつもりの英語長文をノートに書き写すことです。なぜ書き写すことが英語力の向上に役立つのか、以下に記載させていただきます。
効果① 英語を書く習慣が身に着く
英語ができるようになりたい、英語を得意科目にしたいと考えている学生はとても多くいると思います。しかし、その多くは英文を書く習慣がありません。日記やエッセイを書くなどはとてもハードルが高いでしょうし、何を書いたらいいのか分からずに長続きしません。一方で、日々学習している教科書や問題集などで触れている文章であれば事欠きません。英語学習の一環と考えて、題材に取り組む際に書き写しから始めてみるといいでしょう。最初は抵抗があるでしょうから、100字くらいのもの、例えば長文であれば一段落文くらいからで十分です。最終的には500字くらいの全文を書き写すところまでを目指していただけると良いかと思います。
効果② 論理的文章の構成を学ぶことができる
書き写しの題材として、できれば論説文といわれるものをお勧めします。受験で出題される長文の大半は論説文となっていますし、設問では論理的思考力が問われます。また大学や社会に出てからも問われる力となりますので、論説文を題材にすることはメリットが大きいと思います。
論説文では、筆者が自身の主張を理解してもらうため、論理的に構成しながら文章を記述しています。私たちにとって論理的な文章を書く機会はあまりありませんので、筆者の論理的文章を「まねる」ことはとても重要な学習法となります。やってみると分かりますが、自分の主張に導くまでの論理の構成の仕方、まとめ方、文章の書き方など、見習うべきことがたくさんあります。

例として「電子メールの利便性」について書かれた文章を挙げました。論理的構成法として「追加・列挙」が使われています。これは大学受験で出題される英作文で最も活用できる論理構成法のひとつです。実際に難関大学に合格した当塾の指導学生は、書き写しなどでこのような論理構成を習得して活用していました。
効果③ 「音読」・「文構造の把握」を組み合わせることで効果アップ
「英文の書き写し」は「音読」「文構造の把握」との組み合わせることにより、その効果が劇的にアップします。その方法を以下にご紹介いたします。ステップは3つです。
- 音読しながら丁寧に文章をノートに書き写します。
- 次に文構造を書き込みます。
- 最後に、文構造に注意しながら、音読をします。
「これだけ?」と思われる方は多いのではないでしょうか。よかったら一度試してみてください。きっと役に立つ発見があると思います。
最後に
4回にわたり「英語勉強法」についてご紹介させていただきました。個人的な経験から試行錯誤しながら実際に効果を確認してきた方法ばかりです。ボーダレス、シームレスといわれるグローバル社会となり、国際公用語と位置づけられている英語の地位は日本でも高くなるばかりです。これは、小学校から英語教育が開始された世の中の流れからもご理解いただけるのではないでしょうか。最近では翻訳アプリなど利便性の高い技術が普及してきています。しかし、自分の考えや意見を自分の言葉で伝えることの重要性は衰えるどころか益々増しています。ご紹介した方法を参考にしていただきながら、皆さんの英語力が向上することを期待しております。何かご質問などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
関連リンクは以下です。
英語勉強法(その1)「英和辞典(紙)の活用」_豊明×塾×中学生×高校生 – Learning Base AWAKE